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大森智史くん(15)には、奇妙な癖がある。不安になると自分の身体を叩く。「死」を連想する言葉を聞くと「長生き」、「戦争や暴力」を連想する言葉を聞くと「平和」と何度も何度も唱え、母の正子さん(47)にも同じ言葉を繰返すことを強制する。 小さな頃の智史くんは、人前でおどけたりする朗らかで元気な子どもだった。ところが、東京から兵庫に引っ越してきたときに学校でいじめを受けた。さらに両親の不仲が原因で父のことが嫌いになると、次第に強迫性障害の症状を強めていった。 正子さんは、智史くんの症状が少しでも改善するよう各地の病院を訪ね歩くうちに、栃木県の那須温泉に診療所を構える見川泰岳医師と出会う。まるで温泉旅館のような風情の一風変わった診療所だ。 そこでの5年にわたる入院治療とリハビリの甲斐あって、去年から智史くんはフリースクールに通学できるようになった。そして見川医師は、智史くんの症状をさらに改善させるため母からの自立を提案するが…。 自分の将来について考え始めた智史くんが、進路の問題や母からの自立に思い悩みながら、少しずつ前を向いて進もうとする姿を追った。
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